不定期更新にも関わらず、本記事をご覧になって下さっている皆様に感謝申し上げます。2024年度も何卒よろしくお願いいたします。
さて今回は、以前紹介したホラー映画「予言」「感染」に引き続いて制作された、「Jホラーシアター」系列の第3作品目を漫画コラム形式でお届けします。
より同シリーズの作品について理解を深めるためにも、過去記事も合わせてご覧頂けると幸いです。
【第一話 予言】を読みたい方はこちらから
【第二話 感染】を読みたい方はこちらから
☆本記事は、映画の核心に迫るネタバレを避けるために、あえて大まかにご紹介させて頂いております。このコーナーが読者の皆様の「内なる興味」を引き出すきっかけとなれば幸いです。
【映画/輪廻(2005)】 歴史に残る凶悪事件!解き明かすべきではなかった前世の真相!
今回ご紹介する映画「輪廻」は、先述の通り「Jホラーシアター」シリーズの流れをくむ作品です。内容としてはタイトルからも察せられる通り、人間の輪廻転生にフォーカスしたホラー映画です。
今回の物語は、女優の卵「杉浦ナギサ」が主人公!
また、輪廻転生にまつわる怪奇に迫るサブ主人公「やよい」の動向にも目が離せません。
・「ナギサ」「やよい」が目の当たりにする前世の正体とは
・「いにしえの大事件」は何がきっかけで起こったのか
・終盤に訪れる悲劇の展開とは?
漫画形式でお楽しみ下さい。
昭和45年(1970年)、群馬県の山奥にある尾野観光ホテルで、世にもけったくそ悪い事件が起きた。
犯人は大学教授の大森範久。専門は法医学である。
大森は宿泊客や従業員を次々と刺し殺した挙句、実の息子・優也と幼い娘・千里まで殺害。最後には自分も死んでしまった。犠牲者は全部で11人。
しかも、この男、ただ殺しただけではない。
8ミリカメラを片手に、自分の犯行をせっせと撮影していたのである。
大森は生前、「魂は死後も残るのではないか」「記憶は別の肉体へ受け継がれるのではないか」といった輪廻転生の研究に取り憑かれていた。どうやら11人を殺したのも、その研究と無関係ではなかったらしい。
研究熱心にも程がある。
それから35年後。
映画監督の松村郁夫が、この事件を題材に『記憶』なる映画を撮ることになった。
新人女優の杉浦渚は、そのオーディションに参加し、殺された少女・千里をモデルにした役へ抜擢される。
ところが、それ以来どうも具合が悪い。
渚は見たこともないホテルの夢を見るようになり、あちこちで人形を抱いた少女の幻を見る。調べてみれば、その少女は35年前に殺された千里だった。
やがて撮影準備のため、松村たちは事件現場である尾野観光ホテルへ赴く。
初めて来たはずなのに、渚には妙に見覚えがある。
廊下を走り、部屋へ逃げ込み、押入れに隠れる。
まるで35年前、父親から逃げ回った千里の記憶を追体験しているかのようだ。
となれば話は簡単である。
「渚は千里の生まれ変わりなのだ」
誰だってそう思う。
ところが、そう簡単には問屋が卸さない。
一方、女子大生の木下弥生もまた、幼い頃から奇妙な夢に悩まされていた。
夢に出てくるのは、やはり赤い屋根のホテルである。
調査を始めた弥生は、前世で殺された記憶を持つという森田由香と知り合う。さらに事件唯一の生存者である大森の妻・歩美を訪ね、大森が輪廻転生について研究していたことを知る。
そして現代では、由香をはじめとする何人もの人間が、何かに引き寄せられるように尾野観光ホテルへ集まり始めていた。
彼らは35年前、大森に殺された人々の生まれ変わりだったのである。
いよいよ映画『記憶』の撮影が始まる。
セットには尾野観光ホテルが再現され、渚は千里が父親から逃げる場面を演じる。
ところが撮影の最中、スタッフが忽然と消えた。
セットならば行き止まりになっているはずの廊下が、その先まで延々と続いている。
渚はいつの間にやら、35年前の尾野観光ホテルへ迷い込んでいたのである。
そこで過去の惨劇が再現される。
現代の犠牲者たちは、それぞれ前世で殺された場所へ向かい、同じように倒れていく。
松村監督もまた例外ではない。
彼は大森の息子・優也が殺されたのと同じ場所で倒れる。
つまり、
松村郁夫は大森優也の生まれ変わりだったのだ。
そして渚の前に、千里の人形を抱いた弥生が現れる。
弥生は35年前の千里と同じ場所へ逃げ込み、同じように殺される。
こちらも答えが出た。
木下弥生こそ、大森千里の生まれ変わりだったのである。
では、渚は誰なのか。
ここまで渚は、千里の記憶を見ているように思われていた。
だが、よく考えてみれば妙である。
彼女が見ていた光景の中には、千里本人には見ることのできないものが含まれている。
息子を殺すところ。
娘を追いかけるところ。
8ミリカメラを構えてホテルを歩き回るところ。
つまり、渚が見ていたのは被害者の記憶ではない。
犯人の記憶だったのである。
杉浦渚こそ、11人を殺害した大森範久の生まれ変わりだったのだ。
これはイヤな前世である。
真相に気づいた渚の周囲で、死んだはずの犠牲者たちが立ち上がる。
全員が渚を見ている。
そりゃそうだ。
彼らからすれば、35年ぶりに自分たちを殺した男と再会したわけである。
渚は逃げ回るが、やがて大森が最後に自殺した場所へ追い込まれる。
鏡の破片を見ると、そこに映っているのは自分ではない。
大森範久である。
35年前の大森と現在の渚が完全に重なってしまったのだ。
そこへ千里の人形まで現れて、
「ずっと一緒だよ」
と宣う。
勘弁していただきたい。
しかし、実際の撮影現場では何が起きていたのか。
後からフィルムを確認してみると、渚は35年前のホテルを走り回ってなどいなかった。
セットの端っこで一人、何もない空間を見ながら怯え、発狂していただけだった。
すべては渚にしか見えていなかったのである。
かくして精神を病んだ渚は病院へ収容された。
手足を拘束され、真っ白な病室に閉じ込められている。
そこへ事件唯一の生存者、大森歩美がやって来る。
彼女は差し入れ口から二つの品を入れた。
娘・千里が持っていた人形。
そして息子・優也が持っていた赤いスーパーボール。
渚は怯える。
やがて彼女の前には、殺された優也と千里の姿まで現れる。
そして人形がまた云うのである。
「ずっと一緒だよ」
逃げ場はない。
死んでも終わらない。
殺した者も殺された者も生まれ変わり、また巡り会う。
これこそ大森が証明しようとしていた「輪廻」だった。
ところが最後の最後、恐怖に震えていた渚の表情が変わる。
彼女は子供たちを見つめ――微かに笑う。
大森範久が完全に蘇ったのか。
自分の実験が成功したことを悟ったのか。
それとも、35年ぶりに我が子と再会できたことを喜んだのか。
映画は答えてくれない。
いずれにせよ、自分で11人も殺しておいて「死ねばそれでおしまい」とはいかなかった。
因果は巡る。
まさしく『輪廻』である。
【漫画】映画『輪廻』を大まかに紹介!


【解説】映画の見どころ&補足〈筆者の感想〉
この映画の基本情報は以下の通りです。
1.東宝「Jホラーシアター」シリーズ第2弾(3作品目)
2.映画「呪怨」を手がけた清水崇氏が監督・脚本
本作品は、公開された2005年に「東京国際映画祭」の特別招待作品としてもノミネートされました。
作品の特徴としては、同系列のシリーズ作品と同様に「日本独自のテイストが色濃く反映された伝統的ホラー」であることが挙げられます。
「輪廻転生」にまつわるホラー作品は数多くあれど、ここまで直球に真正面から輪廻というテーマにフォーカスした映画は他にないように思われます。
【映画/輪廻(2005)】個人的評価
映画「輪廻」の個人的評価としては以下の通りです。
《怖さの度合い》★★★☆☆(ある程度ホラーに耐性がある人におすすめ)
《理由》一部残酷描写アリ+無慈悲な展開が随所に見られるため
上記に関して1点補足なのですが、前作(前記事参照)で取り上げた作品「感染」と恐怖レベル自体は同じ「星3」とさせて頂きましたが、総合的に見て本作の方がまだホラー耐性のない人でも余裕を持って楽しめる映画であるかなと感じました。
・「心臓に悪い」と言った場面は比較的少ないこと
・「感染」と比べショッキング度は控えめであること
上記2点を鑑みるに、本作品はややもすると「悪趣味」と言った印象を抱かれる映画にならないようにと、絶妙な調整がなされているのではないかと思います。
とはいえやはり残酷描写は随所にあり、ラストも救いようがない結末であるため、心して視聴することをおすすめします。
実は「Jホラーシアター」シリーズの映画は合計6作品あり、本作の後に
・第4作目【叫】/2007年公開
・第5作目【怪談】/2007年公開
・第6作目【恐怖】/2010年公開
と続き、以上をもって完結します。
興味を持たれた方は過去紹介作品と合わせてチェックされることをおすすめします。
【終わりに】
今回の記事はお楽しみ頂けましたでしょうか。
今後も不定期ではありますが、価値あるホラー映画特集をお届けしてまいります。
最後までお目通しいただき、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。
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【漫画コラム】を最初から読みたい方はこちらから
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